Playing with a POWER METER.

Riz(雌猫。2歳児)との日々を綴ります。ときどき自転車もね。

2008-12

貧血時におけるパフォーマンスの変化を検証

「献血によって擬似的な貧血状態を作り出してワークアウトを行うとパフォーマンスの変化はどのように見られるか?」というお題について検証してみました。

一般に、体重57kgなら総血液量はおおよそ4,000~4500cc。400cc献血をすれば赤血球数も当然10%近く減少しているはず。ならば有酸素運動の代表格ともいえる自転車競技においては際立った変化がみられるのではないか?というのが予想です。


※注記※
献血は本来の趣旨を正しく理解し世のため人のためにすべきであって、まして献血後の激しい運動は医師からかたく禁じられています。よい子はマネしちゃいけません。反省してください>俺。



***

1.ベースデータ

・体重
献血前日、ワークアウト前:57kg
同、     ワークアウト後:56.5kg
献血3時間後ワークアウト前:56.8kg
同、      ワークアウト後:56.2kg
(両日ともワークアウト中の補給は水を300cc程度)


・心拍
最大心拍184bpm
安静心拍42bpm
AT(≒LT1)心拍134bpm
Rc(≒LT2)心拍160bpm
(ATとRcは東京体育館でVo2Max測定時のもの)


・出力
推定FTP235W(11月までは245W)
Tempo: 185-220W
LT: 221-257W
Vo2Max:258-293W
AC: 294UP


・測定日のコンディション
12/11献血前日 :ALT138.6/CTL119.2/TSB-19.4
12/12献血当日 :ALT134.3/CTL118.9/TSB-15.4
081218PMC.jpg



2.ワークアウトの内容
・片道20km往復40kmのサイクリングロードをペース走。
・献血前日は何も考えずTempoレベルに収まるよう200Wを基準に走った。
・献血当日は前日のデータを見て、なるべく平均出力が同じになるよう200W~220Wを目安に走った。
・献血前日は強風。よってパワーと速度の分布が大きい。反面、献血当日はほぼ無風。
・下記比較データは、ワークアウト中のアップ部分とダウン部分をカットし60MMP(両日とも平均207W)だけを抜き取った。



3.データ比較

***1分値の比較***

12/11(献血前日)Peak 1min (302 watts):
Pw:HR: 11%
Min Max Avg
Power: 266 339 302 watts
Heart Rate: 148 159 155 bpm

12/12(献血3時間後)Peak 1min (253 watts):
Pw:HR: -8.3%
Min Max Avg
Power: 129 315 253 watts
Heart Rate: 125 139 131 bpm


***5分値の比較***

12/11(献血前日)Peak 5min (251 watts):
VI: 1.01
Pw:HR: 6.14%
Min Max Avg
Power: 177 339 251 watts
Heart Rate: 146 158 152 bpm

12/12(献血3時間後)Peak 5min (237 watts):
VI: 1
Pw:HR: 5.15%
Min Max Avg
Power: 195 290 237 watts
Heart Rate: 145 158 152 bpm


***20分値の比較***

12/11(献血前日)Peak 20min (241 watts):
VI: 1
Pw:HR: 3.91%
Min Max Avg
Power: 0 339 241 watts
Heart Rate: 131 158 149 bpm

12/12(献血3時間後)Peak 20min (225 watts):
VI: 1.01
Pw:HR: 3.33%
Min Max Avg
Power: 0 363 225 watts
Heart Rate: 139 159 151 bpm


***60分値の比較***

12/11(献血前日)Peak 60min (207 watts):
Duration: 1:00:00 (1:01:41)
Work: 745 kJ
TSS: 87.8 (intensity factor 0.937)
Norm Power: 220
VI: 1.06
Pw:HR: 0.54%
Distance: 31.894 km
Min Max Avg
Power: 0 413 207 watts
Heart Rate: 93 159 138 bpm
Cadence: 30 106 87 rpm
Speed: 7.2 45 31.9 kph

12/12(献血3時間後)Peak 60min (207 watts):
Duration: 1:00:00 (1:01:22)
Work: 744 kJ
TSS: 83.4 (intensity factor 0.913)
Norm Power: 215
VI: 1.04
Pw:HR: 3.81%
Distance: 32.016 km
Min Max Avg
Power: 0 363 207 watts
Heart Rate: 103 159 141 bpm
Cadence: 32 101 83 rpm
Speed: 10.8 41.8 32.0 kph

081211_L3_60min.jpg
081212_L3_60min.jpg

**************************************

4.考察

・60分値で比較すると献血直後は平均心拍で3bpmほど高かったが両者はほぼ同じといえる。出力、速度、ともにほぼ同じ。
・ただし。出力と心拍の乖離率が献血前0.54%であるのに対して献血後3.81%と大きくなっている。献血後は心拍に比例して出力が出ていない(無駄に心拍が高い)という証拠か?
・20分値、5分値、1分値とVo2Maxの領域に近づくにつれてその差が広がっていく。
 これは
 (a)献血前日は風が強かったので高強度で走る時間が長かった
 (b)献血後はほぼ無風、でなおかつ前日の平均出力に会わせようとコントロールして一定で走った
 為と考えられる
・しかしそれを加味したとしても、心拍の分布とみると献血後はAT心拍以上が多く落差が激しい。
・Mean Maximal Power Curveを比較すれば献血前がなだらかなカーブであるのに大して、献血直後は高強度の出力が得られていない様子がわかる。

がしかしー
・例えば「200馬力の車でも100馬力の車でも高速道路で一定走行している場合なら使われる出力はほぼ同じ」という理屈と同じく、赤血球が10%程度減少しても(それで仮にVo2Maxが10%ダウンしても)LT以下ATレベルで1時間程度のワークアウトにはその変化を汲み取ることはできないのではないか?

・より高強度なVo2Maxレベルでの比較や、ATレベル3時間以上のワークアウトでの比較が必要と思われる。


5.結論

・(というわけで予想通りのオチで恐縮ですが)やっぱりサンプルが少なすぎてなんともいえない、というのが結論です。

・しかし本来の目的は「貧血状態から回復したときにパフォーマンスは向上するのか?」ということですから、赤血球の寿命が120日、且つ1日1%程度再生(いずれもtarmacさん情報)するらしいので、この貧血状態でワークアウトを続けた10日後、1ヵ月後、3ヶ月後の状態を再度検証する価値はあると思います。

・でも実際には体調とか疲労蓄積とか同一条件でワークアウトできないとか、、ホントのパフォーマンス検証って難しいのよねぇ。

・結局のところ「パフォーマンス変化をどうやって正しく評価するか?」ということが最大の問題かもしれません。


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プロフィール

安価白

Author:安価白
安価白(アンカホワイト)

輪工房teamAPEX
Squadra Crsa Aprico
坂とれ会所属。


坂が好きです。
(速くはないけど)


@CaffeBarApricoのなかのひとです。

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